友だちとの会話で「常識」とか「普通」とかいう言葉が出てくるととても困ってしまう。
多くの人たちは生活の仕方がそれぞれ異なっているからだ。
その人はなにを基準として「常識」なのか、なにを基準として「普通」なのかを会話の中から見つけ出さないといけない。
こんかい「普通」選挙法を見ていくわけだけど、「20歳以上の男性に選挙権を与える」ことがあの時代の「普通」だったんだ。
同じ時代に生きている人でも「普通」という言葉を理解するのが大変なのに時代を隔てた人たちの「普通」を理解するのはとても大変そうだね。
それじゃあ、本題にはいろうか!
加藤内閣と普通選挙法
第二次護憲運動で政権を握ったのは
加藤高明(かとうたかあき)
だったね(ここで詳しくやったよ)。
こんかいみていく治安維持法も普通選挙法も
加藤高明(かとうたかあき)内閣
のときに決められたんだ。
第二次護憲運動のときに護憲三派は「普通選挙を実現する!」といって選挙をしたね。
そのおかげで清浦内閣を倒したんだった。
だからこの約束を守らないといけないね。
そこで1925年に立法されたのが
普通選挙法(ふつうせんきょほう)!!!
これによって納税額に関係なくすべての25歳以上の男性に選挙権、すべての30歳以上の男性に被選挙権が与えられたんだ。
選挙権は投票できる権利で、被選挙権は議員に立候補できる権利ね。
治安維持法とは?その目的と普通選挙法との関りをわかりやすく
でも普通選挙法を制定するにあたって心配なことがあったよ。
それは、世界的な社会主義運動の影響を政治が受けてしまうんじゃないかという心配(社会主義についてはここに詳しく書いたよ)。
なぜかっていうといままでは納税額によって選挙権と被選挙権が与えられていたから社会主義運動に参加しているようなひとが政治に参加できるのはまれだったからなんだ。
社会主義っていうのはわかりやすく言えば、「資本家などの生まれながらの金持ちをなくして、みんなが平等に財産を持とうよ」、というもの。
だから税金をたくさん払えるような金持ちはこういった思想を好まないよね。
社会主義を受け入れる人は、キリスト教徒(悪い労働環境に対する人道的な立場から)や生まれによって格差が生じるのはおかしいと感じているひとたちが多いんだ。
この心配を解消する目的として制定されたのが
治安維持法(ちあんいじほう)!!!
年号は1925年ね!
選挙によって社会主義が拡大するのを防ぐ目的だったんだね。
治安維持法とは
私有財産制度の否認(しゆうざいさんせいどのひにん)
や
国体の変革(こくたいのへんかく)
を目的とした結社を禁止する法律。
なぜ社会主義の人たちが「私有財産制度をなくせ!」といっているかといえば、生まれながらの金持ちをなくすため。
私有財産制度をなくせば一度みんなの財産を回収して、その後にみんなに平等に分配できるからね。
生まれたときにみんなが平等に財産をもてば、生まれながらの貧困をなくせるね。
国体の変革なんていうと難しく聞こえちゃうけど、わかりやすく言えば、
いままでは生まれながらの貴族や金持ちが政治や国を動かしてきたわけだけど、
これからはそういった金持ちではなくて、平等に生きている労働者たちがみんなで国を運営しようぜ!という意味なんだ。
今までの国の体制(国体)をまったく違うもの(変革)にしようぜ!という意味ね。