前回見てきたカイロ会談/宣言は、アメリカ・イギリス・中国の3国による会談だったよね。
その裏にはアメリカ側の「中国を利用しよう」という策略があったけど、これは見込み違いだった。
というわけで、次の会談からは中国の蒋介石は呼ばれず、代わりに“あの国”が呼ばれるようになった。
今回は、カイロ会談の次に開催された「テヘラン会談」、さらにそのあとの「ヤルタ会談」について見ていくよ。
テヘラン会談でソ連が参加
テヘラン会談は、イランのテヘランというところで行われたのでこの名前になっている。
参加した国は、以下の三つ。
- アメリカ・・・首相 フランクリン・ルーズベルト
- イギリス・・・首相 ウィンストン・チャーチル
- ソ連・・・・・議長 ヨシフ・スターリン
中国に代わって会議に参加したのは、ソ連だ。
このテヘラン会談で初めて、この3国が実際に顔を合わせた歴史的な会談でもある。
このテヘラン会談は日本についてがメインテーマじゃなくて、ヨーロッパで暴れまわっているナチス・ドイツなどヨーロッパでの戦争についてが主題だった。
ただ一つだけ、日本の今後にかかわる重要な約束事がコッソリ交わされていた。
それは、「ソ連が対日参戦する」という約束。
まだこのタイミングでは協定を結んだ、とかではなかったけど。ソ連が参戦する方針が決まったのがこの会談だった。
ヤルタ会談でソ連の対日参戦が決定
ヤルタ会談は第二次世界大戦末期の1945年2月から始まった。
もうこの時点では連合国側は戦勝国となることがほぼ確だったので、戦後の話がメインだった。
まず会議に参加したのは、テヘラン会談と全く同じアメリカ・イギリス・ソ連というメンツ。
次に内容。
- 戦争終結後のドイツについて
- 戦争終結後のポーランドについて
- 戦争終結後に作る国際連合について
- 対日密約
この4つだ。
上3つは日本の戦争とはちょっと関係ないのでここでは割愛するね。
問題は「対日密約」、つまり日本に対するヒミツの協定について。
アメリカは、コッソリ「日本を降伏させるためには、ソ連の参戦が不可欠だと考えているんよ。日ソ中立条約は放り投げて参戦してくれないか?」とソ連に打診する。
一方ソ連は「まあいいけど、そのかわり満州とか千島列島(今でいう北方領土)らへん俺にちょうだいよ」と要求。
アメリカは日本に降伏させるのを一番の目標としていたので、この要求を飲んで協定を締結した。
この時点で、ソ連は日ソ中立条約を放棄して対日参戦することが確実になるんだ。
このヤルタ会談は、今も続く北方領土問題の原点にもなっているよ。
さて、いよいよ終戦が近づいてきたね。