グローバル化なんていうけれど、経済が国際的に関係をもつ時代を世界は何度か経験しているんだ(歴史学なんかでは現在は第3次グローバル化と言っているほど)。
大戦景気も世界の経済が国際的になっていたから起こりえた。
でも、経済の国際化はいい面ばかりではない。
今回はとりあげないけど、世界大恐慌も経済が国際的になってしまったから起こってしまったこと。
現在の経済の国際化でもほとんど対策がとれていないけれど、海外の変化がすぐに国内に影響を及ぼしてしまうのが経済の国際化の特徴なんだ。
リーマンショック前の日本と大戦景気を重ね合わせても面白いかもしれない。
それじゃあ、みていくよ!
日露戦争のあと、日本はずっと不況に悩まされていたね。
日本は日露戦争に勝ったもののポーツマス条約で賠償金を得ることができなかった。
戦争で負った負債と課税による消費活動の衰退で20世紀のはじめからずっと不況。
日本は経済的にはいいことがなかったんだ。
でも第一次世界大戦がはじまると日本の景気はぐんぐんよくなっていくよ。
戦争でヨーロッパの列強はいっぱいいっぱいだったんだ。これを総力戦といったね(ここでやったよ)。
たくさんの男子が戦争に行ったために女性が生産活動に加わったり、戦争のために社会を変えていかなくちゃいけなかったから、そのことで精いっぱいだったんだ。
その一方で日本は参戦したもののほとんど被害を受けなかった。
参戦した理由もドイツの中国にある植民地を奪うためだったし。
第一次世界大戦の中心もヨーロッパだったしね。
だから日本は日本製品を海外にどんどん売り込むことができたんだ。
海外ではモノを欲しいひとが多いのに、ヨーロッパの列強がモノをつくれないから困ってしまうね。
だから大げさに言えばどんなものでもつくれば売れる!!
これが
大戦景気(たいせんけいき)!!!
戦争のおかげで儲けられたなんて不謹慎だどね。
でも大戦景気のおかげで日本は日露戦争のときに背負った借金よりも、他の国に貸したお金の方が多くなったんだ。
これを債務国(さいむこく)から債権国(さいけんこく)になったというよ。
日本は他の国から借りているお金よりも、他の国に貸しているお金の方が多くなったんだ!!
こうやって大戦景気でたくさん儲けた人達を
成金(なりきん)
というよ。
特に海運業で儲けた人たちを
船成金(ふななりきん)
というよ。
これは戦争で船が使われてしまったために、世界的に船不足になるんだ。
だから真面目に戦争に参加していない日本はどんどん船で民間用の物資を運んでお金を儲けるよ。
このおかげで日本は世界第3位の海運国になったんだ!