前回は蘭学に一生をささげた男・志筑忠雄について見てきたね。
彼が翻訳した本によって、天文学分野は大きく発展したんだったよね。
今回は、長崎にあったオランダ商館の医師として来日していたシーボルトについて見ていこう。
シーボルトって何者?
そもそもシーボルトってどこの国の人なんだ?
オランダ人なのかと思いきや、実はドイツ人。日本の研究がしたくて自分の国籍を偽って日本に入ってきていたんだ。
シーボルトの本名は“フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト”。結構長い・・・。
シーボルトはもともと医者一家(貴族階級)のもとに生まれて学力も非常に高く、国家試験にも合格して見事医者となる。
でもシーボルトは「俺は貴族階級なんだから町の医者として一生を終えるなんてあり得ねえぜ!」と思い、次第に日本についての興味を持ち始める。
さらに、植物学も学んでいて、日本に来た際は日本の様々な植物の研究もしている。
鳴滝塾
シーボルトは日本にやってくると、日本の研究を進める傍ら長崎の郊外に「鳴滝塾」という私塾を建てた。
鳴滝塾は診療所と塾を兼ねたものだった。
この鳴滝塾の門下には、蛮社の獄で弾圧を受けた蘭学者・高野長英や幕末に活躍する蘭学者・医者である伊藤玄朴などがいる。
まとめ
シーボルトは、優れた医者でありながらそれに飽き足らず、日本に研究をしに来ていたんだね。
日本でもシーボルトの医療技術は貴重で、特別に長崎での診療を許されていた。
しかし、彼は帰国に当たってある大事件を起こしてしまう。