【前編】にて、シーボルトに国家機密であった『大日本沿海輿地全図』の写しを渡してしまった景保。
これがシーボルト事件の発端となる。
シーボルト事件発生
江戸への旅行で日本の数々のアイテムや情報を得てホックホクのシーボルト。
だけど、シーボルトはどうしても間宮林蔵が蝦夷地で採取したという葉っぱの標本がほしかった。
そこで、手紙を林蔵に送ったんだけど、これを林蔵は幕府に密告。
この手紙がもとで、シーボルトにかかわった多くの日本人が逮捕されてしまう。
もちろん高橋景保も逮捕。
林蔵の密告の裏には、林蔵と景保の仲があまり良くなかったことがあるといわれている。
『大日本沿海輿地全図』を持ち出そうとしていたシーボルトも、家宅捜索などをうけ軟禁されてしまう。
その後は日本人の友人たちを守るため、「もう日本の住人になって二度と国外に出れなくてもいいから!友人たちは悪くないから牢からだしてやってくれ!」と発言した。
これによって多くの日本人たちが救われた一方、景保は牢獄の中で死亡し、のち改めて死刑判決が出される。
シーボルトはスパイ?
シーボルトのスパイ疑惑については諸説ある。
日本人たちがシーボルトにかかわった罪で逮捕されたときに、日本人たちを庇う発言をしたことから本当にただのスパイだったとは言えないとする説もある。
一方で、鳴滝塾で関係のあった高野長英が「シーボルトさん、医者以外の肩書ってなにかお持ちですの」と聞いたら「コレスポンデントヴェルデ」と返したという。
これは日本語に訳すと「内情探索官」。要するにスパイだよね。
謎は未だ解明されていない。
まとめ
『大日本沿海輿地全図』を持ち出そうとしたことよって、シーボルトは日本から追放されることになる。
1858年に日本がオランダと通商条約を結ぶまで、シーボルトは日本にこれなくなってしまったんだ。