前回ヤマト政権について結構詳しく見てきたけど、その中で「5世紀にヤマト政権の権力が増大した」って話をしたよね。
この時ヤマト政権と地方の権力者には、ある独特な制度があった。
その名も「氏姓制度」。
これが結構分かりづらい。
詳しく見ていこう。
氏姓制度は「氏」と「姓」を合わせた語だ!
氏姓制度って文字だけを見ると、「う~ん名前に関すること?」ってイメージを持つと思う。
今でも苗字のこと“氏”とか“姓”とかということあるしね。実際、そのイメージは半分あってる。
ヤマト政権時代では、今でいう苗字的な意味を持ってるのが「氏」で、「姓」の方は全く意味が違う。
「氏」は同じ血筋を持つ一族のことを指す
「氏」に関しては今の使われ方とあんまり変わらないと捉えてほしい。
現在でもさ、「田中氏」とか「金子氏」とか、苗字につけて使うよね。
ヤマト政権時代だったら、有名どころだと蘇我氏とか物部氏とかだ。
要するにこれは「蘇我一族」「物部一族」って意味を表しているということ。
現在と違うのは“読みかた”だね。
蘇我氏、物部氏の読みは正式には「そがうじ」「もののべうじ」だよ!
氏姓制度の「氏」はウジとよんで、「姓」はカバネと読むんだ。
まあ正直言うと僕も「そがし」「もののべし」って読んじゃうけどね、うっかり・・・。
姓は「役職」や「地位」を示す
姓(カバネ)の方は現在のような“苗字”という意味では使われてなかった。
姓は、ヤマト政権に従った地方の権力者たちに与えられる「肩書き」みたいなもん。
今でいう「取締役」とか「課長」とか「相談係」とか、そういうイメージ。
ヤマト政権では、例えば
- 臣(おみ) :ヤマト政権の王族に匹敵するレベルの権力者に与えられた称号
- 連(むらじ):ヤマト政権の重要な官僚に与えられた称号。
※連は、伴造(とものみやつこ/伴と呼ばれる官僚集団のトップのこと)に与えられた
などなど。ほかにも国造(くにのみやつこ)だとかがあるよ。
氏姓はヤマト政権の王族から与えられる
氏姓制度は、「氏」と「姓」、2つの仕組みを組み合わせたものってわけだ。
で、この氏姓を地方の有力者たちや官僚たちに与えていたのは、ヤマト政権の最高権力者である王族・・・ってことも覚えておこう。
蘇我氏を例にとると、「蘇我」という氏と「臣」という姓を王族から与えられているのが「蘇我氏」ということになる。
どうだろう。少しはイメージがハッキリしたかな?
分かりにくいところは何回か読んでイメージできるようにしておいてね!