昭和時代

ロッキード事件とは?簡単にわかりやすく。ANAとの関係も?

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戦後日本の有名な汚職事件といえば、まずこの「ロッキード事件」が挙がってくるね。

元首相の田中角栄が関わっていたとして逮捕されたり、関係者が謎の死を遂げたりとまあ真っ黒な事件だった。

本文で詳しく書くけど、ロッキード事件の“ロッキード”ってのは、アメリカの航空機メーカー「ロッキード社(現在はロッキード・マーティン)」という会社のこと。

この事件は、ロッキード社が作ったある航空機を巡っての贈収賄事件だったんだ。

 

じゃあ、詳しく見ていこうか。

大学受験の日本史では田中角栄に関して、日本列島改造論を覚えておいて欲しい。

日本列島改造論に関して詳しく知りたい人は、『日本列島改造論は失敗だった?簡単にわかりやすく。』の記事を読んでね。

 

 

ロッキードが何としても売りたかった「トライスター」

 

事の発端は、「ロッキードL-1011 トライスター」という、ロッキード社の肝いり新型旅客機にある。

ロッキード社は当時、軍用機に関しては高い評価と実績を持っていたんだけど、

一方でジェット旅客機部門に関してはライバル会社のボーイングやエアバスなどに販売網で水をあけられており、不振だった。

 

そんな中でロッキード社は、軍用機を作ってきた実績とデータをもとに最新技術モリモリのハイテク旅客機を作って、一気に旅客機シェアを奪いに行こうという賭けに出た。

そのハイテク旅客機ってのが、「ロッキードL-1011 トライスター」。莫大な資金を投じて計画された、まさに社運をかけた飛行機だった。

 

僕飛行機好きだからちょっと脱線するけど、このトライスターって飛行機実はスゴイ機体だったんだ。

ロッキード社は軍用機を作ってきたことから、最新技術や設計技術などは他の航空機メーカーと比べてとても高い水準にあった。

 

「トライスター」の名で知られるこの飛行機は、現代ではお目にかかれない三発機(エンジンが三つ!)が特徴的。

水平尾翼そのものが丸ごと動く「全遊動式尾翼」というよく戦闘機で使われる方式を使っていたり、離陸直後から着陸までをカバーする高精度な自動操縦システム、ダイレクトリフトコントロールシステム・・・とにかく当時では本当に進んだ技術を惜しみなく投入されていた。

 

あと、当時の飛行機ではかなり静音だったことでも評価が高い。

 

しかもこれだけ最新技術を詰め込んだ機体でありながら、設計上の欠陥で墜落事故を起こしたことは一度もない。

まさに完成された飛行機だったんだ。

 

※ちなみに同時期に開発された、ロッキードのライバル「マクドネル・ダグラス」のDC-10という飛行機は、

同じ3発機だったけど設計上の欠陥があって何度も墜落事故を起こしている。(ポンコツ機の代表格ともいわれている。)

 

・・・であるにも関わらず、売れ行きはとても悪かった。

エンジンを開発している会社が破産したことで開発が遅れてしまったり、航空会社が「ロッキードって軍用機は作ってるけど旅客機はほぼ素人でしょ・・・?」と言ってあんまり受注してもらえずマクドネル・ダグラスのDC-10にシェアを奪われたりして、ロッキードは非常に焦った。

 

トライスターが売れなければ確実にロッキード社はつぶれる。

何としても売らなければいけないロッキード社は、“賄賂を払ってでも航空会社に買ってもらおう”と考えた。

 

これがロッキード事件の始まり。

 

ロッキード事件の全貌

ロッキードがトライスターの売れ行き不調に頭を抱えていたころ、日本では全日空(ANA)が新しいジェット機導入するための機体選定を始めていた。

当時の全日空の候補は、

  • ボーイング747SR(ジャンボジェット)
  • マクドネル・ダグラスDC-10
  • ロッキード L-1011 トライスター

の三機種だった。

 

全日空の社内では意見がかなり拮抗していたらしいんだけど、

トライスターの持つ安全性や静音性が評価されたことやトライスターの導入がちょい有力だった。

 

そんな状況を見たロッキードは、「何としても全日空にトライスターを売りたい!」と考え、賄賂で便宜を図ろうとした。

 

お金の流れを簡単に言うと、

ロッキードは田中角栄と児玉誉士夫、全日空に対して、丸紅という商社の幹部を通して賄賂を渡した。

 

 

 

まず、児玉誉士夫という超大物活動家に21億円もの大金を渡した。

この児玉誉士夫って人は「政界の黒幕」と言われていた人物で、日本の政財界どころかアメリカのGHQやCIAともパイプをもち、おまけに暴力団とも関係があるいろいろヤバい人。

 

そのとんでもなく広い人脈を使い、全日空の大株主だった知人をパイプに全日空の飛行機選定に介入(賄賂を渡す)、結果として全日空はトライスター導入を決めた。

さらに児玉誉士夫はロッキード製の軍用機を、政府高官たちに働きかけて購入させるための工作も行っていたとされる。

 

また、当時首相だった田中角栄も全日空への売り込みをロッキードからお願いされ、5億円を受け取ったとされる。

今でこそ田中角栄は素晴らしい首相だ!とされているけど、実は逮捕されているんだね。

田中角栄をはじめとして、児玉誉士夫、元運輸大臣の橋本登美三郎、丸紅の檜山廣会長、全日空の若狭得治社長など16人が逮捕された。

これがロッキード事件ってわけさ。

 

しかも怖いのが、事件を担当していた日本経済新聞の記者が不審死を遂げていたり、田名角栄の運転手と児玉誉士夫の通訳もまた不審死を遂げているんだ・・・

度重なる関係者の怪死に世間はぞっとしたんだって。

 

これだけの一大スキャンダルで怪死もあったから、アメリカ当局の陰謀だ!なんて声も上がっていたんだよ。

 

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