前回は江戸時代の身分制度を全体的に見てきたけど、今回は特に「農民」に焦点をあてるよ。
江戸時代の農民の一番大きな役目は、農作物を作って決められた年貢を納めること。
勧善懲悪系の時代劇とかで、勝手に年貢の税率をあげて「お主も悪よのう~」とか言ってる悪代官様と苦しむ農民・・・みたいなイメージがあるよね(実際にはあんな露骨な代官はいなかったみたいだけど)。
実際どんな感じだったのか見ていこう!
農村の仕組み
まず農村の一番メインな人たちが、本百姓。田畑と屋敷を持っていて、年貢や幕府から命じられる役目を果たす義務がある農民たち。村の政治にかかわることが出来たよ。あと、「名子」っていう本百姓の奴隷のような農民を抱えていたよ。
次に、水呑百姓。自分の田畑を持っていなくて、年貢を納めるだけの収穫がない農民たちのことを言う。名前の由来が「水しか飲めないほど貧しい農民」ってとこから来てるくらい貧しくて、村の政治にも関われなかったという・・・。
で、この本百姓や水呑百姓のボスになっていたのが、名主・組頭・百姓代の三役職。村方三役とも言われる。
名主は村のトップで、年貢を割り当てたり法令を伝えたりと、村の政治全般を扱っていたよ。
面倒なことに、関東では名主って呼び方なんだけど関西では庄屋、東北では肝煎って感じに呼び方が違うんだ。注意ね!
組頭は名主の補佐役。百姓代は、年貢の負担割合などを名主や組頭にかけあう役目で、名主と組頭が不正しないよう監視してるイメージだね。
農村の制度
村を運営していく上で、何するにしてもある程度の予算が必要だよね。そこで作られた制度が村入用。
学校とかでよくある集金みたいな感じで、村の人々から徴収していた。
次に、村八分って制度。これは悪いことした時に受ける罰みたいなもので、村の掟に反した村民を、他の村民と関われなくしてしまうというかなりキツい罰。
このほかに、村全体が負う責任が村請制。一つの村で生産される農作物に対して一定の税(年貢)を納めさせる制度。年貢ってのはこの村請制によるものだったんだね。
最後に、五人組。5世帯を一つのグループにして連帯責任を負わせることで、お互いが年貢をちゃんと払っているか、悪さしていないかをお互いに監視させるシステム。これは結構有名だよね。
今回はここまで。次回は「年貢」について詳しく見ていくよ!