前回は、浮世絵の大成者菱川師宣について見てきたね。
師宣は版画浮世絵を芸術にまで昇華し、一方肉筆画では『見返り美人図』を筆頭とした元禄文化を代表する浮世絵を描き上げたんだった。
今回は、「京焼(きょうやき)」と言われる陶磁器を大成させた野々村仁清(にんせい)についてだ。
京焼ってなんだ?
京焼っていうのは、京都で作られた陶磁器を総称したもの。
一度焼いて形を作った後、その側面に美しい絵を施す、という「上絵付け」の技術を使った陶磁器だ。
京焼は、野々村仁清が大成させた後「清水焼」「粟田焼」の二つに分岐していく。
野々村仁清の作品の特徴は?
仁清は、非常に“ろくろ”の技術が高かった。
ろくろっていうのは、こういうやつだ。
http://www.tochigi-edu.ed.jp/furusato/detail.jsp?p=64&r=345
下の台座を回すことで回転体を作ることができる器械なんだけど、人の手で回すものだから当然下手くそがやるとイビツな形になるし、同じ陶器で薄い部分・厚い部分が生まれてしまう。
仁清の作る陶器は非常に均等で薄く作られていて、とても技術レベルが高い。
加えて、陶器に日本で初めて「赤色」の着色をしたことでも有名。
当時、陶器で赤色を使って絵を描くのは非常に難しかった。
焼きあがった後に綺麗な赤にならなかったんだ。
仁清はこれを見事に完成させてしまう。
代表作は需要文化財にもなっている。画像は色絵付梅図茶壺だ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E3%80%85%E6%9D%91%E4%BB%81%E6%B8%85
まとめ
野々村仁清が大成させた京焼は、今ではそのほとんどが重要文化財や国宝になっている。
それほどまでに、京焼は仁清によって芸術的に高められたんだ。