前回は、放射性炭素年代測定の基本的なやり方について見てきたね。
放射性物質のもつ、「半減期」を利用した年代測定法だった。
今回は、前回の放射性炭素年代測定の応用法である、AMS法について見ていくよ。
AMS法で放射性炭素年代測定をもっと効率的に!
AMS法が確立される前の放射性炭素年代測定では、C14の量を「C14が放出する放射線の量」で測っていた。
しかし、この方法だと非常に時間がかかってしまう。
そもそも半減期が5000年以上もある物質だから、放射線を放出するスピードが遅い。
加えて、ある程度のC14が残っていないと、正確に計測できないという問題もあった。
これを見事解決したのが、AMS法。
簡単に言うと、「C14が放出する放射線量」からC14の数を計算するのではなく、「C14の数そのものを数える」という方法。
現代の技術進歩によって可能になった技だ。
AMS法ではC14が1㎎でもあれば計測可能なことに加えて、計測にかかる時間がなんと30分~1時間くらい。
機器も現在では小型化されて広く普及していることからとっても汎用性の高い測定法になっている、
放射性炭素年代測定は、AMS法によって高精度かつ高効率化されたんだ。