室町文化として、南北朝文化と北山文化、東山文化がある・・・ってことは前回のまとめでも見てきたね。
文化史を覚えるのが得意な人もいれば苦手な人もいると思うんだけど、
文化史ってまあ受験とかでも聞かれること多いんだよね・・・。
史料集片手に、今回の記事を見てってほしい。
南北朝文化の特徴
南北朝文化は、名前の通り、足利尊氏&光明天皇の持明院統(北朝)と、後醍醐天皇の大覚寺統(南朝)による騒乱の中にあった文化のこと。
時代の転換期であったこの時期におこった歴史意識の高まりと、
畿内の新興武士層の新しい時代感覚を背景として起こった文化が、南北朝文化なんだ。
南北朝の時代には、歴史や軍記物語などが多く作られている。
それじゃあ、一つ一つ作品を確認していこうか。
南北朝文化の作品
この項で見ていく作品は、どれもかなり重要なんでぜひおさえてほしい。
まず、歴史書からみていこう。
歴史書
・『増鏡』
増鏡は、源平の争乱から建武までの約150年間もの歴史を公家の立場から記した書物なんだ。
『大鏡』から『今鏡』、『水鏡』、で今回の『増鏡』と。
代々続いてきた4つの“鏡”シリーズをまとめて「四鏡」とか読んだりもする。
成立順は↑に書いた通りの順番で、僕の学生時代は“「大根水増し」”とかいう語呂合わせで覚えろと言われたな~。
著者は二条良基ではないかと言われているけど、確かではない。
・『神皇正統記』
神皇正統記とは、北畠親房によって記された書物で、南朝の立場から皇位継承の道理を説いているトコがポイント。
大義名分論に基づいて、南朝の正当性を主張した。
(大義名分については、https://jahistory.com/taigi-meibun/を参照してみてほしい。)
・『梅松論』
梅松論は足利尊氏による、南北朝時代の戦記。
持明院・大覚寺両党の分裂から足利氏の政権獲得までの過程を、武家の立場から記している。
次に、軍記物語をみていこう。
軍記物語
・『太平記』
太平記は、後醍醐天皇の討幕計画から鎌倉幕府の滅亡、建武の新政の開始から南北朝の対立を経て、
管領・細川頼之が足利義満を補佐するために讃岐から上京するための約50年を描いた物語だ。
内乱期の戦乱と、社会的変革が生き生きと描かれているよ。
注釈書
抑えてほしい注釈書は、『職原抄』『建武年中行事』の2つだ。
・『職原抄』
職原抄は日本の官職制度をまとめた本。
日本の官職制度について、由来・官位・唐名などにふれて、
任官のための家格や慣例についても解説しているよ。
・『建武年中行事』
建武年中行事は後醍醐天皇によって書かれた注釈書で、
朝廷の年中行事を月ごとにまとめたものなんだ。
『職原抄』も『建武年中行事』両方とも、朝廷政事の本来のあり方を示そうという政治的意図のもとに書かれたものなんだ。
流行した文化
連歌
南北朝文化の時代に流行ったものだと連歌がある。
連歌では二条良基によって『菟玖波集』という歌集が出版され、また連歌の規則書として『応安新式』が出版されたんだ。
連歌は公家・武家を問わず、広く流行したよ。
闘茶
またお茶の飲み分けをする『闘茶』も流行した。
このような南北朝文化は、のちの北山文化や東山文化につながる室町文化の基礎となったんだ。