室町時代では貨幣経済が盛んになってきたと言う話を前回はしたね。
今回は室町時代の農業の発達についてわかりやすく説明していくよ。
室町時代の農業の発達について
室町時代の農業の特色は、
土地の生産性を向上させる集約化・多角化が進んだことにあるんだ。
室町時代には、二毛作が全国で一般化する一方で、
畿内などでは、米・麦・そばのなんと三毛作が行われるようになったんだ。
1420年に日本に来日した朝鮮使が記した『老松堂日本行録』によると、摂津国尼崎で三毛作が行われていたようなんだ。
また、稲の品種改良がすすみ、それぞれ稲の収穫時期の異なる早稲、中稲、晩稲が普及し、稲の収穫増大をもたらしたんだ。
これは戦国時代には一般化するよ。
また、大陸から伝来した大唐米は、白米に比べて味は劣るけれど、
早稲で収穫量が多かったので、庶民の食用米として広まったんだ。
農耕については、鉄製農具や牛馬を利用した農耕は、鎌倉期よりもさらに普及したんだ。
川やため池から水をくみ上げる機械に関しては、水車の他、中国から伝えられた竜骨車も使われるようになったんだ。
竜骨車というのは、チェーン状に連ねた板で水をくみ上げる仕組みのものなんだ。
でも、竜骨車は故障が多かったからそれほど普及しなかったみたいなんだ。
肥料では、刈敷・草木灰に加えて、下肥や厩肥が使われるようになって、農作物の収穫の安定化が進んだよ。
また、室町時代には、苧・桑・楮・漆・藍・茶などの栽培も盛んになって、
これらが商品として流通するようになったんだ。
このように、農作物の生産性の向上などによって、農民は豊かになり、
商品の生産・流通は盛んになったんだ。