前回は、歌舞伎の舞台である「芝居小屋」について見てきたね。
舞台装置が時代の変遷と共に進化して、大型化したんだったよね。
今回は、「見世物小屋」という、ちょっとダークな施設について見ていこう。
見世物小屋の歴史
見世物小屋は、江戸時代に盛んだった興行の一つ。
現代的に言えば、サーカスだ。
特徴として「非常に手ごろな価格」というのが挙げられる。
現在価格でだいたい500~600円くらい。庶民の娯楽として最適だったわけだ。
構造としては、文化祭なんかでやるお化け屋敷みたいに入り口と出口が設けられていて、流れで見ていく感じ。
江戸時代の見世物小屋では
- 曲芸
- 細工見世物
- 動物見世物
の三種類があった。
曲芸はまさに今のサーカス。アクロバティックな曲芸をしていて、なんと幕末の人気曲芸師はアメリカのニューヨークに渡り、そこでも大人気だったという。
おなら芸、なんてのもあったらしいよ。
細工物は、ガラス細工だったりからくりで人形が動いたり。おもしろおかしい工芸品がたくさん展示されていた。
動物見世物は、世界の珍獣を見世物にしていた。
江戸時代当時、珍しいとされた生き物は象とラクダ。
珍獣として一大ブームに。
ほかにも身長がめちゃくちゃ高い女の人とかも見世物になっていたらしい。
明治時代になると身体障碍者を見世物にするような、ちょっとダークなものに様変わり。
誘拐された子供が人身売買されていたり、覗き穴とよばれる性行為を覗くものであったりと、なかなかエグめ。
まとめ
見世物小屋は、昭和以降になると取り締まりが行われて障がい者を舞台に上げるようなことはできなくなった。
現在では祭りの際に蛇を体に巻き付ける蛇女や、人間ポンプなどの曲芸が行われている。
しかし、もはや風前の灯火。ほとんど流行っておらず、そろそろなくなってしまうといわれている。