さて、今回からはまた江戸の大きな歴史の流れに戻っていくよ。
これまでで、第七代将軍・家継の時代まで説明してきたね。
今回はいよいよ第八代将軍・徳川吉宗の時代を見ていこう。
徳川吉宗はTVドラマの「暴れん坊将軍」の主人公にもなっているね。
徳川吉宗ってどんな人?
徳川吉宗は1716年から1745年までの約30年の間将軍職に就いていた。
吉宗が行ったことは、一言で言って「幕政改革」。
とにかく倹約と公共政策、米の価格安定に努めた将軍だった。
総じてこの将軍の評価は悪くない。
ひどかった幕府の財政を改善させた点が評価されている。一方で、農民たちに負担を強いてしまう政策をとったり少々時代錯誤的な政策をとってしまったことなどがあまり良くないとされている。
享保の改革で主なもの
倹約令
これは、江戸時代初期から幕府によって何度も出されていた法令で、幕府が庶民に対して倹約を強制する法令。
「享保の改革」とこの後の「寛政の改革」・「天保の改革」では特にこの倹約令が強烈だった。
相対済し令
江戸時代、旗本・御家人と札差(米の仲介業者)の間では金銭の貸し借りで争いが頻発していた。
これがいちいち裁判沙汰に持ち込まれてしまっていて、裁判所がいっぱいいっぱいになっていた。
これを改善すべく、「お前らの間で話し合って解決せい!」と言った令がこの相対済し令。
足高の制
それぞれの役職の基準となる石高(給料)を定めて、それ以下の給料しかもらっていない役人にはその基準との差額分ボーナスがもらえるという仕組み。
お金のない旗本を人材登用することが目的だった。
上米の制
諸藩に1万石につき100石の割合で幕府に収めるお米を増やすよう命じた。
代わりに参勤交代で江戸にいる期間を一年から半年に減らす、ということをした。
でも農民にとっては何のメリットもなしに年貢増徴になっちゃったから、農民たちに多大なる負担を欠けてしまった。
公事方御定書
江戸幕府の基本法典・・・ていうとお堅いんだけど、簡単に言えば「裁判の判例集」。
このほか、目安箱(市民の意見を集める箱)を作ったりしたよ。
まとめ
吉宗の改革は基本的に幕府の権威を復活させたり良い政治をしたんだけど、農民にはかなり負担が増えてしまったから、評価が分かれる改革だった。