前回では、南北朝文化について紹介したね。
今回は、足利義満の時代に起こったと言われる北山文化の特徴と作品について紹介するよ。
北山文化の特徴
北山文化は、武家文化と公家文化の融合というのが大きな特徴だね。
足利義満の時代に発展した文化で、寝殿造や禅宗様を取り入れた金閣の建築様式も北山文化の特徴だと言われているよ。
ほかにも五山文学や水墨画、猿楽能が有名だと言われているんだ。
また、足利義満は祖父尊氏にならって、臨済宗をあつく保護し、
南宋の官寺の制にならって、五山・十刹の制を確立したんだ。
五山・十刹の制というのは、臨済宗のお寺を格付けする制度のことだね。
南禅寺を五山の上において、
天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺を京都五山、
建長寺・円覚寺・寿福寺・浄智寺・浄妙寺を鎌倉五山としたんだ。
北山文化の作品
北山文化は水墨画と五山文学、猿楽能が有名だったんだ。
まず、水墨画から確認していこう。
水墨画は、南北朝時代からすでに活躍している画僧がいたんだけれども、
北山文化の時代になって、多くのすぐれた画僧が登場してきたんだ。
主な画僧と作品をあげておくから、確認してみてほしい。
・明兆『五百羅漢図』
・如拙『瓢鮎図』
・周文『寒山拾得図』『水色巒光図』
この中でも如拙の絵はよく試験でも出るから、教科書や資料集等で確認しておいてほしい。
このように水墨画が盛んになるのに加えて、五山の僧の間では、宋学の研究や漢詩文の創作も盛んになったんだ。
そこで出てきたのが五山文学。
絶海中津や義堂周信といった禅僧が現れ、五山文学は最盛期を迎えるんだ。
そして次に能。
能も北山文化を代表するものなんだ。
各地で猿楽・田楽のそれぞれの系譜をひく猿楽能や田楽能が演じられるようになった。
そこで、様々な種類の能面も作られるようになるんだ。
能楽師は寺社の保護を受けて座を結成することができるようになり、
能を演じる専門的な芸術集団が多々形成されるようになるんだ。
その座の代表的なものとして、
興福寺を本所としている金春座(円満井座)・金剛座(坂戸座)・観世座(結崎座)・宝生座(外山座)の、
大和猿楽四座があるんだ。
そのうちの1つである観世座の観阿弥・世阿弥は将軍の保護を受けて、
芸術性の高い猿楽能を完成させたんだ。
観阿弥・世阿弥親子は、能の脚本である謡曲を多数書くのに加えて、
世阿弥は、能の神髄を述べた『風姿花伝』や『花鏡』といった理論書を残して、能の大成者になったんだ。