前回まで、数学や天文学の分野を発展させた人たちを見てきたね。
今回紹介するのは、「和学者」であり「俳人」の、北村季吟(きぎん)だ。
北村季吟って何者?
北村季吟は、江戸時代における優れた俳人であるとともに、和学者でもある。
和学っていうのは、古くから伝わる日本の文学や歴史、制度なんかを研究する学問。
季吟は特に古典文学の注釈書を作成する能力が高かった。
季吟の有名な注釈書に『源氏物語湖月抄(こげつしょう)』がある。
源氏物語の本文と、それを説明する文が脇に書いてあるもので、源氏物語について何にも知らない人が読んでも「ああ、こういう話なのね」と理解できてしまうほど素晴らしい本だった。
また、和歌についても非常に詳しく、幕府には歌学方として仕えていた。
季吟の排出した門人たち
季吟に和歌を学び、のちに大成した人物は非常に多い。
一番有名なのはやはり、松尾芭蕉。
蕉風俳諧を大成させた人として有名だよね。覚えてるかな?
更に柳沢吉保なんかも季吟の門人だ。
他にも山岡元隣、山口素堂といった俳人も輩出した。
まとめ
北村季吟は歌人としては貞門派だったからやや堅苦しい流派だった。
しかし松尾芭蕉のような俳諧界のレジェンドを輩出した点、さらに『湖月抄』で和学を発展させた点で非常に評価されている。