前回は、化政文化の中心、担い手について見てきたね。
化政文化は、江戸を中心とした・中流以下の庶民たちが担い手となった文化だった。
化政文化は、よく元禄文化と対比される。
今回はその元禄文化との違いについて見ていこう。
元禄文化と化政文化
この二つの文化の違いは、なんといっても文化の中心地と担い手だ。
元禄文化では、文化の中心は上方(京都・大坂)で上流階級に位置する人間(武士や金をもった商人たち)が担い手だった。
またちょうど商人たちが裕福になってきた頃だったことも相まって、現実を強く意識しながらも非常に華やかで楽しげな文化が元禄文化だった。
また、江戸時代の様々な文化の出発点でもあった。
松尾芭蕉が蕉風俳諧(俳句)の道を切り開いたり、菱川師宣が浮世絵を生み出したり、浮世草子が生まれたり・・・。
化政文化は皮肉っぽい
これに対して、化政文化はかなり異なる。
まず文化の中心地は江戸。そして担い手は、中流以下の町民たちだ。
化政文化は、「滑稽」だとか「通」、「洒落」と言った概念が好まれるようになる。
もう少し平たく言うと、“斜に構えたような”文化だ。
ちょっと皮肉っぽくて、ユーモアが混じった感じの文化。
元禄文化は陽キャ感たっぷり、化政文化はどちらかというと陰キャ感がある。
まとめ
化政文化は、元禄時代の華やかさは鳴りを潜め、より趣深い・皮肉っぽい文化になっていく。
「渋い」とか「粋(いき)」といった、オッサンみたいなものが重んじられる文化なんだ。