前回は、安土桃山時代に生まれた新しい文化、南蛮文化について見てきたね。
それまでの日本には全くなかった、新鮮かつ斬新な考え方やモノがたくさん入ってきたんだったよね。
今回は、この南蛮文化で入ってきたものの中から「活版印刷術」について見ていくよ。
活版印刷術とは。
活版印刷という技術は、ドイツ人のヨハネス・グーテンベルグという人物が開発した技術。
活字っていうのは、一つの金属に一文字彫られているハンコのようなもの。
この一文字一文字を組み合わせて文章にし、紙一枚分くらいの大きさまで敷き詰めたらインクをつけて紙に押し付ける。
こうすれば何枚も同じ文章が書かれた紙を量産できるよね。
・・・しかし、おそらくみんな感づいたと思うんだけど、一文字一文字組み合わせて文章にする作業、手作業でやったらとんでもない時間がかかるよね。
しかも日本は漢字を使ったり草書体で書いたりすることもあるから活字自体作るのが非常に大変。
英語圏ならアルファベットたった26文字分作ればいいだけだから楽なんだけどね・・・。
キリシタン版の誕生
宣教師の一人・ヴァリニャーニが布教活動を日本で行う際、聖書など必要な書類を印刷するのに活版印刷機を日本に持ち込んだ。
これを契機として、様々な活字本が出版された。
中でも全文をローマ字で記した平家物語を活版印刷で本にした『天草版平家物語』は特に有名だ。
まとめ
活版印刷機は当時はとても先進的な技術だったんだけど、日本が膨大な文字数を必要とする漢字圏であったこと、さらには木版画が主流になっていったことなどから活版印刷術はどんどん衰退していった。
現在ではパソコンとプリンターで超お手軽印刷ができてしまうから、手間と膨大な活字が必要になってしまう活版印刷は絶滅寸前になっている。