今回からいよいよ鎌倉時代だ!
…って言ったはいいけど、鎌倉幕府の成立年って実は「この年!」ってはっきり決まっていない。
じゃあどうしてハッキリと「この年!」って決まっていないのか、その理由を明らかにするよ!
何をもって鎌倉幕府の成立とするか
まず、これまでの通説だった“良い国作ろう鎌倉幕府”のごろ合わせでお馴染み、1192年に鎌倉幕府ができた、とする意見。
この意見の基準は、朝廷から源頼朝に「征夷大将軍」という称号が与えられた、という出来事。
武家の棟梁(トップ)に君臨したことを示しているよ。
で、最近有力なのが1185年に幕府ができたとする意見。「良い箱作ろう鎌倉幕府」なんていう語呂がある。
この意見の基準はどこかというと、源義経追討の際に認められた「地頭」「守護」という役職を全国各地に置くことを朝廷から認められたタイミング。(文治の勅許という)
守護・地頭(ざっくりいうと地方行政を担当する役職)を全国各地における、ということは、
その大ボスである頼朝の組織は“実質的に”幕府として認められるのではないか?という考え方なんだ。
また、「寿永二年十月宣旨」を基準にする1183年説もある。
「寿永二年十月宣旨」というのは、朝廷が頼朝に「東国は全部君が支配していいよ」と言ったもの。
つまり東国の支配権を手に入れたこのタイミングを幕府成立と考えているわけだ。
このほかにも、様々なタイミングを基準にした説があったりして、全部で6つくらいの意見がある。
試験ではどの意見を参考にすればいいの?
ぶっちゃけ学者さんの定義次第で鎌倉幕府の成立年はどうにでもなっちゃうから、ここまで書いといてなんだけど「この年に鎌倉幕府が成立しました!」って決めつける意義はあんまりないんだ。
ただ、“今は”1185年説が支持されてるから、これにのっとって1185年に鎌倉幕府が成立した、と覚えておこう。
受験でこんなあいまいな部分を聞くところはまずないから安心してね。
歴史は変わらないもの、って思いがちだけど結構よく変わるものだから、その時その時の時代に合わせて覚えなおしていこう。
受験生にとっちゃ迷惑そのものだけどね。(笑)