さて。難しい仏教・神道のお話は前回まででいったん終わり!
今回から鎌倉時代の文化を見ていこう。
まずは文学から。
鎌倉時代の文学はま~有名な作品が多いんだ。
例によって国語の古文問題として出題されることも多々ある。
てなわけで、しっかり押さえていこう。
鎌倉時代の文学【和歌・物語・日記】
鎌倉時代も、平安時代に負けず劣らずたくさんの優れた文学が生まれた。
和歌もそうだし、日記文学や随筆、物語までさまざま。
全部挙げてるとさすがにえげつない分量になっちゃうので、中でも特に価値のあるものに絞って説明していくよ。
和歌
和歌集では、『万葉集』『古今和歌集』に並ぶ3大和歌集のひとつ、『新古今和歌集』が鎌倉時代に登場する。
『新古今和歌集』に収録する歌を選んだ藤原定家や西行、慈円などが有名な歌人として知られているね。
この歌集の特徴として、“幽玄”と言われる独特の美的観念が込められている。
定義的には、“もののあはれ”の「あぁ~、エモいなぁ~」という感じをより深くした感じとのこと。
その深いエモさを醸し出すために、体言止めや初句切れ・三句切れなどの技法が使われているわけだ。
だから『新古今和歌集』は技巧的だ、とも言われる。
あと、本歌取りという表現技法がふんだんに使われている点でも有名。
“本歌取り”ってのは『万葉集』や『古今和歌集』、『新古今和歌集』に収録されている歌をアレンジ(リメイク)すること。
あくまでパクリではないよ!
“本歌取り”が多く使われている歌集はこのほか、源実朝(鎌倉幕府の三代将軍だね)が作った『金槐和歌集』等がある。
物語
物語文学は鎌倉時代に入ると、平安時代の『源氏物語』を筆頭とするファンタジーものから、バトルものに流行が変化していった。
これを軍記物語という。
軍記物語の有名どころは、『保元物語』『平治物語』『平家物語』あたりだね。
タイトルから内容が大体予想できると思うんだけど、
- 『保元物語』は保元の乱について
- 『平治物語』は平治の乱について
- 『平家物語』は平氏一族の繁栄と衰退について
の物語になっている。
実際にあった出来事を元にしながら、
時に詩的な表現を織り交ぜたり・平安時代の物語のスタイルを踏襲することで“軍記物語”というジャンルが成立したんだ。
ちなみに『平家物語』には、琵琶法師という人が各地で琵琶(ギター的な楽器)片手に、
『平家物語』のストーリーを弾き語りしたというエピソードもある。
日記
日記文学も鎌倉文学ではいくつか出たんだけど、中でも独特の日記文学として『十六夜日記』が挙げられる。
これは阿仏尼という女性が書いた女流日記なんだけど、従来の物とはちょっと違う。
これまでの女流日記は「作者自身の過去の回想録」って感じだったのに対し、『十六夜日記』は回想というより「紀行文(旅行記)」になっている。
内容も、京都から鎌倉までの道中に起こった出来事などを和歌をはさみながら綴るものになっていて、『土佐日記』みたいなイメージ。