今日は開拓使官有物払い下げ事件だよ。
ここでの登場人物で1番重要なのは黒田清隆なんだけども、黒田清隆と言えば、北海道に1000万円以上使って、開拓しようとした人物だよね。榎本武揚が戊辰戦争で負けても「処刑だけは避けてくれ!」と頭を丸めて懇願した人。
この黒田清隆ってのは北海道と関わりが強いんだけども、こんこ開拓使官有物払い下げ事件で批判されるよ。
開拓使官有物払い下げ事件とは
ちょっと復習をしよう。
明治政府は強い日本を作るために、富国強兵をスローガンに掲げて殖産興業を進めていったんだよね。
殖産興業ってのは官営の事業をたくさん作っていくこと。
まだ日本は開国して間もないし、人々は知識も技術も無い状態。だから明治政府が外国から知識を持ってきて、お国主導の事業を営んでいったわけなんだね。お雇い外国人なんかも呼んできてさ。
強い日本を作るために、官営事業を行っているから利益も度外視でとにかく
「発展、発展、発展じゃー!!」
とお金をかけていったわけなんだね。
でもさ、ぜーんぶ官営でやっていくわけにはいかないから、どんどん民間の会社に払い下げしていったわけ。
払い下げってのは官営事業を安い金額で民間に売ってあげることね。
民間でも買える人ってのはごく少数で、財閥と言われるグループなんだ。この財閥は明治政府からお仕事をたくさん貰ったり払い下げを受けているから政商として批判されていたわけね。
ここまでが前提。
開拓使官有物払い下げ事件ってのはこの上の流れの最たる例なわけ。
1881年に黒田清隆は開拓使10年計画が満期になったから、官営事業を民間に払い下げようとしたのね。
この北海道の開発に費やした投資金額は1,500万円以上!!
1,500万円もかかったのに、五代友厚の完済貿易会社に
38万円、30年分割、無利息
というびっくりするくらい安い金額で売ろうとするのね!これには国民はブチ切れ!!!
「明治政府と政商人ズブズブの関係じゃないっすか!!」
ってね。
世の中の人々は、自由民権運動を明治政府に抑えつけられている最中だったからこれに関してはかなりの不満を持ったんだよね。前年に集会条例とかも出されちゃってるしさ。
これで明治政府もさすがにやばいってことで1881年10月に払い下げを中止したんだよ。
五代友厚って誰だ?
五代友厚は、薩摩出身の実業家で関西貿易会社を経営していた人物だよ。
大学受験の日本史だと開拓使官有物払下げ事件くらいでしか登場しないんだけども、大阪経済の発展に尽力した人物で欧米視察をした経験から英語の辞書作成にも携わっているんだよ。