前回は、滑稽本『浮世風呂』を著した滑稽本作者の式亭三馬について見てきたね。
庶民の生活を克明に描いたことが評価されていたんだよね。
今回見ていくのは、三馬と同じ「滑稽本」の作者、十返舎一九について見ていこう。
もともとは武士だった!?
十返舎一九は静岡に生まれ、青年期から江戸に出て武家奉公をしていた。
その後は大坂の町奉行に仕えていたんだけど、その後しばらくして浪人に。
そのころから芸術分野へ進みたかったのかね。
浄瑠璃作者になって作品をいくつか残した。
十返舎一九も式亭三馬同じく多才な人で、文才と絵心を持ち合わせていただけでなく歌舞伎や落語、さらには川柳に至るまで芸術分野ならだいたい詳しかったという。
肉筆浮世絵なんかも残している。
そんな中、1802年に初出版した『東海道中膝栗毛』という作品(滑稽本)が空前の大ヒット。詳しくは後編で。
この作品で一気に流行作家の仲間入りをする。
ちなみに。
十返舎一九のペンネームの由来には、こんな説がある。
名香「黄熱香」は十度焚いても香を失わないところから、「十返しの香」とも呼ばれる。後の筆名「十返舎」はここから、「一九」は幼名の市九から来ている。初めは十遍舎一九であったが、十偏舎、十偏斎、重田一九斎なども用い、享和ころから十返舎一九に定まった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E8%BF%94%E8%88%8E%E4%B8%80%E4%B9%9D
次回では、十返舎一九の代表作『東海道中膝栗毛』について見ていくよ。
【次回に続く】