さて、今回からは桃山文化の芸能部門について見ていくよ。
その中でも今回は、江戸時代で発展していく「歌舞伎」の原点ともいわれるものを始めた女性についてだ。
出雲阿国(いずものおくに)って?
出雲阿国とは、桃山時代に存在した女性芸能人のことだ。
島根県の出雲に生まれ、しばらくして出雲大社の巫女となる。
11歳のころ、奈良の春日大社というところで“ややこ踊り”を披露し人気を博する。
“ややこ”という言葉には幼いという意味もあって、少女が踊るかわいらしい踊りのことをいう。
(ややこ踊りは実はセクシーダンスで、踊っている最中に服がはだけるのが大人気だった、という説もある。)
かくして踊りの人気を得た出雲は、「出雲大社への寄付を募る」という目的のもと全国を回ってパフォーマンスをし始める。
京都でパフォーマンスした際も大盛況で、秀吉の伏見城や皇室の御所でも演じられた。
またこのころから、阿国の踊りは「かぶき踊り(常識外れの派手なカッコをした人たちの踊り)」と呼ばれるようになる。
といっても踊りの内容はセクシーダンス。
阿国が男装して遊女と戯れる様子を踊りで表現する、といった具合だ。
阿国歌舞伎とも呼ばれる。
かぶき踊りのその後
かぶき踊りというセクシーダンスが、遊女たちにも人気を博したことから、数々の遊郭でこのかぶき踊りが取り入れられることになる。
結果、だんだんストリップダンス化していってしまい、風紀が乱れるという理由で江戸幕府に禁止されることになる。(詳しくは江戸時代編の文化史で!)