前回見てきたのは、山鹿素行が提唱した「古学派」と言われる学問。
朱子学や陽明学は、別の思想家による影響を受けているとして、本来の孔子や孟子の考え方を学ぼうとしたのが古学だったね。
さた、今回はそんな素行の古学派のひとつ「古義学派」を唱えた、伊藤仁斎について見ていくよ。
伊藤仁斎は古義学派を唱える
伊藤仁斎は京都に生まれ、40歳ごろ京都に古義堂と呼ばれる私塾を開く。
ここで伊藤仁斎が提唱したのは、「古義学」という学問。
『論語古義』や『孟子古義』、『語孟字義』などといった本が発行されているけど、これは全部死後に発行されたもの。
生前は講義と本に書く内容の整理や推敲を行っていた。
仁斎は、当時日本で主流だった朱子学について「もともとの孔子や孟子の考えを『朱子学』というフィルターをかけてとらえている。これでは真の考えを学ぶことができない!」と考えていた。
実際、朱子学は成立する過程で「儒教の考えではないもの」が混ざった状態で解釈されていたから、偏りがあったんだ。
仁斎はこの不純物を取り除いて、本当の儒学を学ぼうとしたんだ。
まとめ
伊藤仁斎は山鹿素行と直接かかわったわけではないけど、当時の儒学研究においては「朱子学や陽明学のフィルターを外して儒学を学ぶ」という姿勢が主流だったんだ。