前回まで、元禄文化を詳細に話してきたね。
今回からは時代を少し進め、宝暦・天明期の文化をみていこう!
江戸時代の文化史は大きく分けて
- 元禄文化
- 宝暦・天明文化
- 化政文化
の3つ。
今回見ていく宝暦・天明文化は、9代将軍徳川家重~11代将軍徳川家斉の時代だ。
宝暦・天明文化は、江戸時代の序盤の文化・元禄文化と終盤の文化・化政文化の過渡期にあたる。
文化の担い手は?中心地は?
まずは、元禄文化のおさらいクイズだ。
- 元禄文化の中心地は?
- 文化の担い手は?
覚えてるかな?
元禄文化の中心は上方(大坂・京都)、文化の担い手は武士や上層町人だったね。
じゃあ、宝暦・天明文化はどうなっているのか。
宝暦・天明文化の中心地は、江戸中心の文化だ。
元禄時代とは異なるね。
一方で、文化の担い手は元禄時代と同じく、武士や上層町民たち。
化政文化が江戸中心で中層町民以下の庶民たちの文化だから、まさに元禄文化と化政文化の中間地点、という感じなんだ。
宝暦・天明文化は何が発展したの?
学問分野
洋学や蘭学が大きく発展した。
杉田玄白らが書いた『解体新書』が有名だ。天才科学者・平賀源内もこの宝暦・天明文化の中で活躍した。
そのほか、“国学”で有名な本居宣長(もとおりのりなが)や心学という新しい学問も誕生した。
儒学も相変わらず盛んで、藩士や民衆のための学校が数多く建てられた。
寺子屋なんかもこの時期。
文学・芸能分野
洒落本や黄表紙といったような新しい小説のカタチが生まれる。
一時衰退気味だった「蕉風俳諧」を復活させたともいわれる俳人・与謝蕪村(よさぶそん)や、川柳を生み出した柄井川柳(からいせんりゅう)といった人たちもこの文化の中で生きた。
絵画部門
錦絵と呼ばれる、浮世絵を色彩豊かに表現する新たな版画浮世絵が誕生。
さらに鈴木春信(はるのぶ)や喜多川歌麿(うたまろ)、東洲斎写楽など名だたる浮世絵師が誕生して、浮世絵は黄金時代へ突入する。
一方で写実的な絵画も発展して、円山派と呼ばれる画家集団も生まれた。
まとめ
宝暦・天明文化では、文化の中心地が江戸に移り、元禄時代に生まれた浮世絵のさらなる発展や新しい学問の誕生など、江戸時代の文化が多方面に展開していった。
次回から、それぞれの分野について詳しく解説していくよ。