前回見てきた「貝塚」にもちょっと関係することなんだけど、縄文時代に生きた人々は、陸地での採取や狩猟のほか、海で海産物(貝など)を獲る「漁労」も行っていた。
今回は、そんな漁労に関するあれこれについて見ていくよ。
漁労のはじまり
そもそも漁労が始まった大きなきっかけは、縄文時代(完新世)になって世界が温暖化したこと。
凍っていた部分が解けて海に流入し、海水面が上昇したんだ。
これによって、入り江(陸側に海がえぐるように入り込んでいる地形)が多く誕生した。
遠浅(水深があまり深くない部分が続く)が特徴で、海産物を獲りやすい環境だったので縄文人たちは漁労を行うようになったんだ。
漁労のしかた
縄文人たちは、基本的に海産物を獲る際に何種類かの道具を使っていた(素手も有)。
その代表的なものが、「骨角器」と呼ばれるもの。
骨角器は動物の骨や角、牙など先の尖ったものを使った道具のことだ。
銛(もり、棒の先っちょに尖った骨をくっつけたもの)や、鉤(かぎ、フックみたいになった骨を使用。釣りみたいなこともできる)、鏃(やじり、矢の先端に装着)などがある。
骨角器のほか、丸木舟という舟も使われていた。
これはその名の通り、でかい一本の木をくりぬいて作った原始的な舟のこと。