さて、前回はゴローニン事件の発生について詳しく見てきたね。
捕らえられたゴローニンを救うべく行動を開始した副艦長・リコルド。
この事件解決には、ある日本人の商人が大きく貢献することになる。
高田屋嘉兵衛自らロシアへ!?
ゴローニンが乗っていた船の副艦長だったリコルドは、何とかしてゴローニンを助け出そうと考えていた。
最初は「ロシアにいる日本人の捕虜とゴローニンを交換してもらえないだろうか」と考え、文化露寇の際に捕まえていた捕虜を日本へ連れていく。
しかし、日本は捕虜を確保するやリコルドたちを追い返してしまう。
振出しに戻ってしまい頭を抱えていたとき、国後島の近くを航行していた日本船を発見。
くわしい日本の事情を聞けたらとおもってこの船を捕まえた。
ここに乗っていたのが。事件解決のキーパーソンとなる高田屋嘉兵衛だ。
嘉兵衛は幕府からも功績が評価されていて役人たちとも親しかったため、なぜ幕府が怒っているのかや、ゴローニンの安否などの情報を持っていた。
また嘉兵衛のほうも、リコルドからことの顛末を聞いてこの事件を解決しようと思い、自らロシアへ赴くことになる。
幕府の誤解を解いて無事解決へ
今回のゴローニンの事件の原因となっているのは
- レザノフが「勝手に」日本を攻撃したことを幕府が知らない
という点だね。
嘉兵衛は、「『日本を攻撃したのはレザノフっていうおバカが勝手にやっちゃったことなんです、ごめんね』とロシアが謝れば、日本はゴローニンを解放してくれると思うよ」と助言する。
事実幕府は、軍事力がロシアに敵っていないことから大規模な戦争にはしたくなかったので、ロシアが謝罪交渉に来れば応じる姿勢だった。
嘉兵衛の読みは的中していたんだ。
リコルドはこの助言通り謝罪文をもって嘉兵衛とともに来日。
嘉兵衛がいろいろ口利きをしてくれて何とか交渉を成立させた。
ゴローニン・高田屋嘉兵衛ともに母国に帰ることができ、これで一件落着。
後編まとめ
平和的にこの問題を解決したゴローニンとリコルドはその功績が認められお金と名誉をもらうことになる。
一方の高田屋嘉兵衛の方は事件解決直後は罪人扱い。
幕府は一般人に外交問題を解決してもらった、ってことを認めるとメンツがつぶれるから塩対応だったと言われている。