鎌倉幕府の特徴的な制度、と言ったら何が一番最初に思い浮かぶだろう。
たぶん、「御恩と奉公」ってワードなんじゃないかな?
「御恩と奉公」は、これまでの平安時代とは全く違う新しい支配制度だからとっても重要で、小学校とかでも強く教えられたと思う。だから「鎌倉幕府!」というとほとんどの人が連想できる(はず)。
今日は「御恩と奉公」をわかりやすく、詳しく説明していくよ!
鎌倉幕府の「御家人」
鎌倉幕府における「御家人」という言葉は、単純に“家来”、“従う者”という意味合いで使われている。
もともと平安時代は武士のトップや貴族に従う者を「家人」と言っていた。
鎌倉時代では、「幕府という偉~い所に仕えるんだ、幕府への経緯を込めて“御”家人と呼べ」って感じで御家人になった。
だから意味合いは平安時代の時とほぼ変わらない。
ちなみに江戸時代にも御家人がいるよね。
あれは従者という意味ではなくて、「御家人」という地位と考えるといい。
江戸時代において御家人は、将軍直属の家格のことを言うよ(詳しくは江戸時代編を見てね!)。
「御恩と奉公」ってなんだ?
鎌倉幕府の支配制度である「御恩と奉公」を一言で言うと、「封建的主従関係」だ!
・・・逆に何言ってるんだかわからなくなっちゃったね。
封建的(封建制度)って何かというと、「土地」を報酬として使われる、武士の間の主従関係のこと。
注目ポイントは、“土地を報酬に使う”という点。
これこそ、「御恩と奉公」の「御恩」に当たる。
「御恩」とは
御恩は、幕府のボス(将軍)から御家人に与えられるものの総称だ。
具体的には、
- 本領安堵[ほんりょうあんど](この土地はお前が治めていいぞ!と認めてあげる)
- 新恩給与[しんおんきゅうよ](お前良い働きしたな!新たにこの土地をあげよう)
- 官職推挙[かんしょくすいきょ](朝廷の官僚に推薦してやるよ!)
といった感じ。
これが「御恩」だ。
「奉公」とは
御家人が将軍にもらった「御恩」に対して果たさなければいけない“義務”のことを奉公という。
具体的には
- 軍役[ぐんやく](戦争になったら出陣しまっせ!)
- 番役[ばんやく](代わりばんこで警備しまっせ!)
- 関東御公事[かんとうみくうじ](将軍の住居とか壊れた時の修理費出しまっせ!)
といった感じ。
番役は、京都大番役(内裏や院御所の警備)、鎌倉番役(将軍御所の警備)、異国警固(けいご)番役(元寇後九州に派遣される警備)なんかがある。