ポツダム宣言を受け入れ、降伏を宣言した日本には、その宣言通り連合軍側の(一時的な)占領機関が配置された。
そう、かの有名なGHQ(連合国最高司令官総司令部)だね。
今回は、詳しい内容は後回しにして簡潔にどんな機関だったのか、どんなことをしたのかについて見ていくよ。
GHQは何のためにできたの?
GHQ(正式名称:連合国最高司令官総司令部)は、ポツダム宣言とそれに基づいた降伏文書がちゃんと日本で実行されるように、その指導役という名目で日本に置かれた。
ポツダム宣言にあるような「平和的な政府」ができるまでは、GHQのボスである「連合国最高司令官」の命令が絶対だよ、という仕組み。
まあ簡単に言っちゃえば占領状態だね。
ただ以前にもちょこっと書いたけど、一つ日本だけの特徴として「政府」は存続していたということがある。
通常占領だと政治も完全に乗っ取られるけど、日本だけは特別に政府が残った状態だった。(とはいっても最高権限があるのはGHQ側)
最高司令官は、学校でも必ず教えられるし印象深いんじゃないかな、マッカーサーという人物だね。
占領政策のまとめ
GHQが行った占領時の政策は、ざっとこんな感じ。
- 戦争犯罪人(戦犯)の処刑
- 公職追放(戦争関係の思想持ってる人とかを排除)
- プレスコード(言論統制)
- 武装解除
- 民主化
- 農地改革・教育改革
この細かい内容については、今後個別に解説していくよ。
GHQが設置された影響
まずGHQが設置されたことによる「プラス」の面。
アメリカ兵が日本にいる間、アメリカ兵の娯楽としてさまざまな文化が日本に持ち込まれた。
ジャズとかの新しい音楽が持ち込まれたり、ハンバーガーみたいな食文化も入ってきた。
ビールやウイスキーのようなお酒も、アメリカから持ち込まれた食文化らしいね!
こうしてみると結構今の生活に関係する文化がこのころ持ち込まれていたんだね。
逆にGHQ設置の「マイナス」面。
GHQはあくまでポツダム宣言を守らせるための機関ではあるんだけど、連合国側の機関だから当然戦勝国、敗戦国である日本より立場は上なわけだ。
というわけで、在日アメリカ軍による犯罪も多発した。
殺人・傷害合わせて5000件くらい、女性への性的暴行が2万件くらい。
かなりひどいね。
とまあこんな感じだ。
GHQの設置で、日本は大きく変わることになる。
余談:GHQの影響は今でもある?
実は、このころのGHQの政策が今の僕らにも影響している部分がまだまだある、という意見がある。
例えば、GHQの政策の一つである「War Guilt Information Program(ウォーギルトインフォメーションプログラム)」とか有名。
これも後々詳しくやるけど、徹底的にメディアを通じて「日本は戦争を始めた悪だ!」とか、「戦時中はこんなにひどいことをした!」とか「日本は悪い」という考えを国民に浸透させていこうとした計画。
目的は、日本にもう二度と戦争をしようだとか、強力な軍隊をつくろうだとかを思わせないようにするためだった。
結果的に冷戦がはじまった関係でこの計画は変更になるけど、この頃の影響もあって未だに「日本は絶対的に悪」という考えを持つ人、それを教えている人も少なくない。
案外、僕らが良く目にするテレビや新聞といったメディアとかも、2018年になった今でもどっちかに偏った歴史の見方をしていたりすることがある。
もちろん、事実から言えば奇襲攻撃で太平洋戦争始めたのは日本だし、戦時中軍部は敵の艦船にパイロットもろとも突っ込ませる「特攻隊」なんてイカれた攻撃隊を組んだりもしていた。こういう点では日本が「悪」である部分出てるよね。
だけど、アメリカ側が何も悪くないのかと言ったらそんなことは無いよね。原子爆弾の件しかり、沖縄戦の件しかり。(詳しくは記事を見てみて!https://jahistory.com/hiroshima-nagasaki-genbaku/ https://jahistory.com/okinawa-sen/)
正しい歴史を学ぶためには、「真ん中に立つ」ということがとても重要だ。
太平洋戦争でも、日本側・連合国側にそれぞれ「悪」はある。
太平洋戦争の始まった原因だって、未だに学者の間では「日本の奇襲攻撃で始まった」という人もいれば、「アメリカが石油禁輸にしたから日本は開戦するしかなくなっちゃったんだ」という人もいるしでハッキリ決まってはいないしね。
どちらにも偏らない知識をつけていきたいね。