前回は、江戸時代の基本構造であった「封建社会」や「朱子学」を猛烈に批判した安藤昌益について見てきたね。
彼の思想は、当時の江戸社会の暗部を鋭く突いたんだった。
とはいっても、江戸中期ではまだまだ儒学は盛んだった。
諸藩は藩士教育のため、「藩校」という学校を作って儒学をはじめとする様々な学問を教えていった。
著名な藩校一覧
明倫館
長州藩(山口県)の藩主、毛利吉元が1718年に作った藩校。
学校としての機能のほか、図書館としても機能した。
ここからは幕末、維新後に活躍する藩士が多数輩出された。
桂小五郎や吉田松陰、高杉晋作、井上馨(かおる)や乃木希典などだ。
時習館
熊本藩の藩主・細川重賢によって1755年に設立された藩校。
文武両道、質実剛健がモットー。体罰否定の思想も有名だよ。
排出された藩士は、井上毅や北里柴三郎、横井小楠(しょうなん)などがいる。
造士館
1773年、島津重豪(しげひで)が鹿児島城の目の前に造士館を設置する。
勉強する場所のほかに弓道場や剣道場なども設けられていた。
造士館にかかわった人物も有名人ぞろいで、西郷隆盛や大久保利通、黒田清隆に松方正義、山本権兵衛、森有礼・・・。
興譲館
1697年に、上杉綱憲(つなのり)が立てたのが興譲館だ。
一度は衰退したけど1776年に復興を遂げる。
明徳館
明徳館の前身となるものは1790年に誕生し、のち1811年に「明徳館」と名付けられる。
講義形態が非常に面白くて、今でいう大学のゼミみたいな「議論」形式での授業を行っていたことで有名だよ。
学習館
学習館の名前で指導したのは1791年のこと。
教授として国学者の本居宣長がやってきていたことで有名だ。
まとめ
藩校、特に長州藩や熊本藩の藩校からは、のちの政治に大きくかかわってくる人物が多数輩出されたんだね。