ドッジ・ラインって何?戦後に与えた影響とは

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今回はちょっとフクザツな経済の話。

 

終戦直後、日本はものすごいインフレ状態にあった。

物価の上がり方が恐ろしくて、なんと終戦から2年後、1947年のインフレ率は125%‼

 

インフレ率125%ってどれくらい凄いことかというと・・・。

500mlのコーラを自販機で買うと160円くらいすると思うんだけど、インフレ率が125%だとこれが1年後に360円になってる。

 

とてつもない値上がり方でしょ?360円もあれば牛丼食べられるよ。

たった一年でこれだけモノの価格が上がってしまったら、当然問題がいっぱい出てくる。

 

今回は、戦後に起きたインフレと、その問題をどうしたのか、というお話。

戦後インフレの原因

 

終戦直後から発生したインフレは、年々その酷さを増していった。

さっき言ったように、終戦から2年後の1947年には年率125%のえげつないインフレになっていた。俗にいうハイパーインフレーションってやつ。

 

このハイパーインフレの原因ってなんなのか。

 

原因は大きく分けて2つある。

 

  1. 国債を日本銀行に買い取ってもらってたこと
  2. 企業にお金を貸しすぎたこと

 

まず一つ目、国債について。

国債ってのは国の借金のことね。

 

戦時中、国はお金が本当になかったんで、国民に借金することでなんとか戦争を続けていた。

だけど戦争に負けたために相手から賠償金を取ることができなかったよね。

 

結局終戦後、国には国債という多額の借金だけが残った。

でも借金返済の当てもない。じゃあ国はどうしたか。

 

日本銀行に「国債買って~」とお願いしたんだ。

 

日本銀行は日本のお金を作るところ。だから、いくら高額な国債だったとしても日本銀行はお金を刷れば買ってあげられる。

で、国と日銀はこの方法を使って国債の費用を賄おうとしたんだけど・・・。

 

これどう考えてもヤバいよね。

一番単純なインフレの原因って「お金の刷りすぎ」だもんね。

 

で、原因のもう一つ「復興金融金庫」っていう制度について。

政府は、戦後の復興に重要だった鉄鋼業や石炭業をやっている企業に対して、復興金融金庫からたくさんお金を貸してあげるという政策をとっていた。

 

お金を国からいっぱい市場に流してるわけだから、当然インフレが起こるね。

これも戦後インフレを加速させる原因になった。

 

まとめると、「政府の国債を日銀がガンガン買い入れたこと」「復興のため企業に融資しまくった」とが戦後インフレの原因になんだ。

 

戦後インフレの何がヤバいの?

 

インフレには、「良いインフレ」と「悪いインフレ」がある。

基本的には、“緩やかなインフレ”は良いインフレで、“急激なインフレ”は悪いインフレ。

 

緩いインフレは、

 

物価が上がる→モノを売る企業が儲かる→社員の給料が上がる→「モノを買いたい!」と思う庶民が増える→物価が上がる

 

という良い連鎖が起こる。「物価は高いけど給料も高い」って状況になる。

 

ただ急激なインフレだとこうはいかない。

庶民の給料が上昇する割合の何倍もの割合で物価が上昇してしまうから、「物価は高いけど給料は安い」という状況になっちゃうわけ。

 

これは生活キツイよね。

 

で、戦後のインフレは悪いインフレだった。

物価が物凄い勢いで上昇してしまい、庶民が「買える」モノの価格を大幅に超えてしまったんだ。

 

政府も、一般庶民が日用品すら買えないような激しいインフレはマズいなと考えていた。

そこで、「庶民がモノを買える価格」と、「実際の価格」の差額分を国が出してあげる、という政策をとった。

 

確かにこうすれば、庶民はモノを買えるしモノを売る企業にもお金は入るよね。

 

ドッジ・ラインは戦後インフレを終わらせるためのもの

 

でもさ、政府が延々と差額分を肩代わりし続けたら、国の支出ハンパないことになるよね?

毎年インフレで物価はガンガン上がっていくから、差額もどんどんデカくなる。

 

実際、国の支出は年々膨らみ続けていた。

 

これを見かねたGHQは、日本のハイパーインフレを抑え込むべく経済のプロフェッショナル、ジョセフ・M・ドッジという人を派遣する。

で、ドッジさんは「日本がやってる差額金を支給する政策、このまま続けてたら破綻するぞこんなの」と警告する。

 

ドッジさんはまずハイパーインフレを終息させないといけない、と考えた。

つまり経済をデフレにしようとしたわけ。

 

そこで数々のデフレ政策を打ち出す。

  • 復興金融金庫廃止!
  • 超均衡予算!
  • 単一為替レートを設定する!

これがドッジ・ラインの内容だ。

 

「復興金融金庫廃止」は、市場にお金が出回らないようにする政策で、

「超均衡予算」は政府予算のうち、支出を最低限にして、余ったお金は全部借金返済に回す!という政策のこと。

 

つまり“借金返済のために金を刷りまくるんじゃなくて、予算内で借金返済しようぜ”って政策なワケ。

これでインフレの原因はカットできるね。

 

あと「単一為替レート」についてなんだけど、これはかなり説明が長くなっちゃうんで別の記事で詳しくやるね。

https://jahistory.com/tanitu-kawase-re-to/

 

ドッジ・ラインがもたらした影響

 

ドッジ・ラインは、そのどれもが強力なデフレ政策。

結果的に日本のハイパーインフレは一気に終息して、反対にデフレ状態に突入した。

 

ただ、こうなったからと言って庶民の生活が楽になるわけじゃない。

デフレってことは、物価が下がるわモノが売れないわで企業は大損こくわけだ。

 

当然利益がでなくて倒産する企業もたくさん出た。企業が倒産した影響で失業者もたくさん出た。

庶民からの批判やデモももちろん起きたけど、それでもドッジ・ラインの実行は現在でも評価されている。

 

というのも、戦後の企業の「困ったら国がお金で助けてくれる」という考えを根本からぶち壊して、「自分の企業は自分で何とかする」っていう資本主義を日本に根付かせたきっかけになってるから。

 

それに、ハイパーインフレのまま何もしなければ、国民も政府もどんどん疲弊していっただろうしね。

 

このあと始まる高度経済成長も、ドッジ・ラインが無ければ実現していなかったとも言われている。

 

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