以前、アメリカの株価が大暴落した1929年の世界恐慌について解説したね。
1920年代のアメリカで経済が絶好調でさ、戦争のおかげで輸出は増えるわ、その後も移民のおかげで消費は増えるわで絶好調だったの。
私はアメリカの大学で経済の授業を専攻した時にアメリカの証券法に関して勉強した事があるんだけど、
世界恐慌の前1926年~29年頃って、企業はどんどん投資家からお金集めまくって、そりゃもうめちゃくちゃだったらしいね。
知り合いの社長がこんな会社やる!って言ったら、みんなでお金集めちゃうみたいな感じでさ。
だからその後、証券法は非常に厳しくなったんだって。
今回は世界恐慌の後のお話。
ブロック経済についてお話するよ。
ブロック経済政策とは?
まず世界恐慌でアメリカでは失業率が25%になるし、銀行の休業も相次いで経済ナンバーワンだったアメリカのこの体たらくで
世界中の経済は麻痺したのね。
それで、とにかく輸出ができない!他の国が買ってくれないから。
そうだ!通貨の価値を切り下げよう!
と各国は考えて、通貨の切り下げを連発するようになるのね。
いわゆる通貨安戦争ってやつで、自国の通貨を安くしちゃえば輸出が有利になるからさ。
でも各国が自国の通貨の切り下げをやるもんだから、余計に貿易に混乱を招いてしまったんだよね。
そこで、
そうだ!特定の国とだけ貿易しよう!
と始まったのがブロック経済なんだ。どの国も自国の通貨をコントロールして有利なように行動し始めちゃったから、
貿易する国をブロックして特定の国に良い関税の条件を与えて、他の国はめちゃくちゃ高い関税かけて貿易しないようにしてさ。
例えば、イギリスなんかは1931年に大英帝国って名前からイギリス連邦に名前変えちゃって、
自分の植民地と特定の国だけ貿易をするように約束したんだよ。もちろん貿易の決済通貨はポンド。そのブロック経済圏ではポンドしか使われないから
通貨安戦争から一歩距離を置いて貿易する事ができるよね。
ポンドブロック!ってわけさ。
アメリカはアメリカ大陸でドルしか使わないようにしてドル経済圏を作ったよ。ドルブロック!ってわけさ。
ブロック経済が第二次世界大戦の原因?
ブロック経済政策によって1929~1933年の4年間で世界貿易の取引量は7割も減ってしまったんだ。
そしてブロック経済政策を知れば、
「植民地持ってる国しかできないじゃん??」
って思うよね。そーゆーことさ。
イギリス、アメリカ、フランスみたいにアジア、アフリカ、南米に植民地を持っている国はブロック経済圏を作る事ができたけど、
ドイツ、日本、イタリアのようないわゆる「持たざる国」にとっては
「お前ら、ずりーよ!俺らも植民地欲しいよ!!」
って事で、近隣諸国に攻め入る形になっていくんだ。世界恐慌のせいで失業者をたくさん出して、軍部の支配力が強まっていった背景で
植民地獲得に向けて、日本は満州、ドイツは東ヨーロッパに侵攻していったわけなのさ。
正義の反対は悪ではなくて、また別の正義って言葉がよく合うよね。
アメリカが行ったニューディール政策について詳しく知りたい人は、『ニューディール政策とは?わかりやすく簡単に解説。ダムの公共事業とは?』の記事を読んでね。