冷戦の代理戦争として有名なのは朝鮮戦争、と言って前回解説してきたけど、実はもう一つ大きな代理戦争があった。
それが今回の「ベトナム戦争」という戦争だ。
同じ冷戦の代理戦争っていうだけあって、戦争の原因とかが結構似てる。
ただ唯一今までと違う点は、「アメリカが初めて負けた戦争」ってこと。
無敵感のあるアメリカが負けた、ってのちょっと意外だよね。
詳しく見ていこうか。
ベトナム戦争を簡単に
冒頭でも言ったように、ベトナム戦争はソ連vsアメリカの「冷戦」が関係している。
ベトナム戦争になっちゃう経緯は世界史的な内容なんで詳しくは省くけど、
ホー=チ=ミンって人がベトナムの北側に共産主義の国を作って、アメリカに操られた状態の南ベトナムを武力でこじ開けようとしたのがベトナム戦争のきっかけ。
当時冷戦中のアメリカは、こんなの許すはずがないわけだ。
共産主義は絶対許さないマンだからね。
でその後なんだかんだあって、アメリカの戦艦が北ベトナムの潜水艦に攻撃されたのを受けて、仕返しに北ベトナムを爆撃したのが戦争の始まりだった。(宣戦布告はされていない)。
これまでの戦争を見ると「またアメリカが押し切るのかな・・・」と思っちゃうけど、このベトナム戦争ではそう簡単にはいかなかった。
北ベトナム側が奇襲戦法でガンガンアメリカ側を削って、アメリカは攻め入ることができなかった。
それどころか、北ベトナム側の大作戦が成功した影響でアメリカは劣勢になってしまう。
アメリカは苦し紛れにベトナム近隣の国々を攻撃して、北ベトナムを弱らせようとしたけど効果はナシ。
押されっぱなしで戦争も長引いたせいでアメリカの軍事費が大変なことになっちゃった。
これにはさすがにアメリカ国民も激怒した。「ベトナム戦争やって意味あるの?経済めちゃくちゃなんですけど!」という声が続出。
結局アメリカは、ベトナムと和平を結んでそそくさと撤退する。事実上の敗北だ。
その後、北ベトナム側は南ベトナムを攻め落とし、ベトナム社会主義共和国(現在のベトナム)として一緒になった。
ベトナム戦争での悲惨な出来事
もともと戦争は悲惨な出来事がつきものだけど、ベトナム戦争ではこれまでにない新しいタイプの虐殺や戦争犯罪が行われた。
例えば、アメリカが行った「枯葉剤の散布」。
これ、学校で教えられたり聞いたりしたことあると思う。
枯葉剤っていうのはその名の通り植物を枯れさせることができる除草剤の一種。
アメリカとしては、北ベトナム軍の奇襲が怖かったので隠れる場所をなくしてしまおうと考えて撒いたわけだ。
ただこのベトナム戦争で使った枯葉剤はとんでもない毒性があって、「奇形」を生み出させる効果を持っていた。
ベトちゃん、ドクちゃんというワードを聞いたことあるかな。
双子の兄弟として生まれたんだけど、上半身は二人分・下半身は一人分のY型にくっついて生まれてしまった人のことだ。
この原因は、ベトナム戦争でまかれた枯葉剤の影響と言われている。
そんな危険なものをまいていたアメリカには批判が多く寄せられている。
このほか、アメリカや韓国の兵士による民間人の大量虐殺、女性への性的暴行、略奪など戦争で決まって起きる悲惨な出来事もたくさん起きた。
記録によっては一万人近くの人が虐殺されたとも言われている。
あと、クラスター爆弾っていう人を殺す能力がめちゃくちゃ高い爆弾を使いまくったことでも世界から批判されている。
ベトナム戦争は結果的に、アメリカの力を弱めてしまうことにもつながったんだよ。