ポツダム宣言とは?簡単にわかりやすく。無条件降伏ではなかった?

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カイロ会談、テヘラン会談、ヤルタ会談と来て、いよいよ最後の「ポツダム会談」そして「ポツダム宣言」について見ていくよ。

 

このポツダム宣言は、広島・長崎の原爆投下にも大きく関係している重要な宣言だ。

それから、この宣言は通常の「無条件降伏」を要求するものではなくて、ちょっと特殊なものになった。

 

そこも含めて、詳しく見ていくよ。

ポツダム宣言の裏側

 

ポツダム宣言の内容のほとんどは、アメリカによって作られた。

 

この宣言を作るにあたって、アメリカ側では「天皇制の維持を保障することを条件に無条件降伏させる」という条件付き無条件降伏派と、「いやいや、日本本土で戦争をやって完全に敗北させるべきだろ」という強硬派が争っていた。

 

条件付き無条件降伏派、とかいう頭のこんがらがりそうなワードだけど、このグループはなぜ天皇制を維持することを条件にしたんだと思う?

 

当時の日本人は、ある意味洗脳みたいな感じで「天皇は神」みたいな考えをもっていた。

その天皇ありきの世界を壊してしまったら、国民の怒りに火をつけてしまって日本が滅びるまで戦い抜いてくるかもしれない。

 

そんな可能性をアメリカは恐れていたんだ。

だから日本を「日本国」というカタチで存続させるなら、天皇制はそのままにしないとダメだと考えたんだね。

 

いろいろ論争はあったんだけど、一応条件付き無条件降伏派の意見が通って、「天皇制を維持したうえで無条件降伏を求める」ポツダム宣言の原案が作られた。

 

だけどこの後何度か会議が進められていくうちに、「やっぱ天皇制を絶対保障するよ、なんて文言は外した方がいいんじゃない?」という意見が強くなったんで、条文から天皇制保障の文が消えた。

 

 

ポツダム宣言の条文

1945年7月に出されたポツダム宣言は、このような条文からなる。

 

  1. 我々合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
  2. 3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
  3. 世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツとドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
  4. 日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
  5. 我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
  6. 日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。
  7. 第6条の新秩序が確立され、戦争能力が失われたことが確認される時までは、我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
  8. カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。
  9. 日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。
  10. 我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。
  11. 日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
  12. 日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。
  13. 我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%A0%E5%AE%A3%E8%A8%80#%E8%83%8C%E6%99%AF

 

注目すべきは12と13だ。

 

12では、日本の国民が選んだ国の在り方でやっていきなよ、ということが書かれている。

これは「天皇制の維持」を保障しているわけではないけど、「まあ日本の国民が天皇制を維持したいなら、まあそれでもいいよ」的な意思がものすごーくぼんやり組み込まれている。

 

当初のポツダム宣言案の名残だね。

 

13でポイントなのは、“全日本軍の即時無条件降伏”というワード。

これ、未だに論争されている「ポツダム宣言って無条件降伏なの?無条件降伏じゃないの?」という問題にかかわっている。(最後の余談でちょっと詳しく)

 

ところでこのポツダム宣言だけど、出された後すぐに日本は受け入れなかった。

その際のちょっとした出来事がきっかけで、原爆投下へとつながってしまう。

 

これは次回詳しく見ていくね。

 

 

余談:ポツダム宣言って無条件降伏?

ポツダム宣言が日本の無条件降伏だったのか、それとも無条件降伏じゃなかったのかについては何度も議論されてきた。

 

無条件降伏だった派の意見は、当時のアメリカ大統領が「ポツダム宣言はあくまで無条件降伏が前提のものだからね。日本と契約したわけではないからね。」という極秘文書があるから、というもの。

また、「アメリカの要求した文言を全部飲んだわけだから、これは無条件降伏ってことだろ?」と考える人もいる。

 

ただ一方で、ポツダム宣言の13条では「全日本“軍”の無条件降伏」と書かれているから、「“軍”は無条件降伏したけど、日本“国”は無条件降伏してないんじゃね?だから無条件降伏はしてないよ。」という意見もある。

 

結局、この論争は未だに白黒はっきりついていない。

ただ、事実だけみると他の国は無条件降伏すると、政府ごと戦勝国の支配下に置かれていた中で日本だけは「政府」が存続した。

 

だから教科書とかだと「日本軍隊の無条件降伏」という書きかたをしていることが多い。

 

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