国民精神総動員運動を簡単にわかりやすく!背景の世界恐慌や標語のまとめも。

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第一次近衛内閣が採った中国への強硬策。

結果として和平交渉を自らふいにし、逆に戦闘が長引いたことに焦って和平を結ぼうとした第二次、第三次近衛声明も効果が上手くいかず。

 

一方で満州国にいる現地軍は、満州を守るべく華北分離工作をしたところ、逆に強い反感を買って中国は徹底抗戦する構えになってしまった。

もうここまでくると、全面戦争に突入する未来しか見えなくなってくる。

だけど日本はこのころ、かなりおサイフ事情が厳しかったんだ。

世界恐慌で世界の経済が冷えっ冷え

 

まず大きな歴史の流れとして、日中戦争が発生する8年前に起きた世界中を巻き込む大恐慌、「世界恐慌」を知っておこう。

 

アメリカでは当時、「株に投資する」ということが全国的ブームになっていた。

一般市民の多くが株や不動産に投機をはじめて「一発儲けたろ!」と思っていた。

 

この影響で不動産やら株やらみんな一気に価格が上がっていく。するとみんな気が大きくなって消費が増える。そしてさらに投機が増える・・・いわゆるバブル経済に突入するわけだ。

 

しかしこの価格上昇の連続(インフレスパイラルなんて呼ばれる)には限界があって、いつかはピークに到達する。

一旦上がり切ったら今度は価格が下がっていくんだけど、この下がり方がえげつない。

 

経済ってのは結局のところ人間の心理に影響を受けるから、ちょっと株や不動産の価格が下がると、みんな「あ、やばい!高いところで売らないと損だ!」と考えて一斉に売ってしまう。

これが「バブルがはじける」と言われる現象で、これが起こると株式相場は大暴落する。

 

で、これが世界恐慌の時にも起こってしまった。

ゼネラルモーターズっていうアメリカの自動車メーカーの株が、たった一日で1000万株以上も売られる大事件に(ブラックサーズデーと呼ばれる)。

これを発端にアメリカの株価や不動産価格が次々爆死しはじめ、アメリカ経済が急速に冷え込むことになる。

 

そして影響はここだけにとどまらない。

アメリカは当時の経済の中心だったんで、アメリカ経済が爆死するとそれに引きずられて他の国も誘爆する。

 

ヨーロッパ全域がこの影響を受け銀行が次々閉鎖しちゃったりして経済が冷え込む。

日本も、ちょうど金本位制になったばかりのところに世界恐慌が来てしまって、金が大量に流出したり中小企業が倒産したり散々な目に合う。

 

ちなみに、唯一ソ連だけは共産主義だったために影響を受けなかった(市場を介さず、政府が財の配分を決める“計画経済”が行われていたから)。

 

世界恐慌で打撃を受けた日本経済。その後ヨーロッパやアメリカよりは早く立ち直ることができたんだけど、正貨である金が流出してしまった事には変わりがなく、日本のおサイフ事情は厳しいものなった。

そんな中で日中戦争はもう目前。資金難に見舞われてしまう。

 

こういった経緯から、第一次近衛内閣は「国民に負担を強いる」ことにした。

国民精神総動員運動の中身

世界恐慌によって植民地をもつ国は、本国と植民地の間のみ関税を安くして、外国に対しては高関税をかけて輸出入を制限する「ブロック経済」という政策が行われるようになる。

 

日本はこれまで貿易によって資源を得る部分が大きかったので、非常に困った。一応満州があるからある程度の資源は得られたけど、これだけじゃ長引く日中戦争を乗り切れない。

 

そこで、国民に対して「お金を使うな!」と要求するようになる。

これが国民精神総動員運動の根幹。

 

国民を倹約するよう仕向けるため、政府は様々なスローガンを打ち出していく。

代表的なものは、

  • ぜいたくは敵だ!
  • 欲しがりません勝つまでは
  • 日本人ならぜいたくは出来ない筈(はず)だ!

などなど。調べればもっと出てくるから、興味があったら調べてみてほしい。

 

   

こんな感じで街中にもスローガンの書いてある看板立てて、国民に浸透させようとしていたことが見て取れるね。

 

ここからはちょっとした余談なんだけど・・・。

 

この運動は、日常生活のレベル、つまり兵隊さんではない国民レベルから戦争モードにさせようとしたわけで、「戦争に勝つ!」という目的だけを考えるなら有効な政策だったのかもしれない。

 

だけど、非戦闘員である国民、さらに言えば女性や子供に対してまで戦争の負担を強いるこの運動は人道的にどうなのよという話だ。

今考えれば、日本政府はこんなことをしてまで戦争に突入しなければ良かったのに、と思えるけど。

 

当時はもう後戻りできないほどに、軍部や政府が暴走していたんだね。

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